皆さん、こんにちは。大阪市鶴見区のいちば歯科医院です。歯を失った際の治療法として、インプラント治療は非常に人気がありますが、全ての患者さんが適応できるわけではありません。インプラント治療には特定の条件が必要であり、場合によっては治療を断られることもあります。
本コラムでは、インプラント治療が必要となる症状やケース、治療を受けるための適応条件、そしてインプラント治療を断られる可能性がある理由について詳しく解説します。これにより、インプラント治療を検討されている方が自身の状況に合った判断をするための参考になれば幸いです。
インプラント治療が推奨されるケースは、歯を失った後に他の治療法では十分な機能回復が見込めない場合です。以下に主なケースを紹介します。
【ケース1】単一の歯を失った場合
ブリッジや部分入れ歯では、隣接する健康な歯に負担をかけることがありますが、インプラントならば周囲の歯に影響を与えずに治療が可能です。
【ケース2】複数の歯を失った場合
インプラントを用いた治療は、複数の歯を失った場合にも有効です。入れ歯やブリッジに比べて、噛み合わせの機能が向上し、安定感が増します。
【ケース3】全ての歯を失った場合
全ての歯を失った患者さんにとって、インプラントによる固定式の義歯は、従来の入れ歯に比べて大きな快適さと機能性を提供します。
【ケース4】入れ歯の使用に不満がある場合
入れ歯が合わない、痛みがある、噛む力が弱いなどの問題がある方には、インプラントが解決策となり得ます。
【ケース5】骨の質が良好である場合
インプラントは骨に直接固定されるため、骨の質が重要です。良好な骨質を持つ患者さんに適しています。
【ケース6】全身の健康状態が良好である場合
全身的な健康状態がインプラント治療の成功に影響を与えるため、健康な状態であることが必要です。
インプラント治療を受けるためには、以下の6つの条件を満たす必要があります。
インプラントは顎骨に埋め込むため、骨量が十分でなければならない。骨の量が不十分な場合は、骨移植が必要になることがあります。
インプラントは天然の歯に近い存在であり、適切な口腔ケアが欠かせません。歯周病がある場合は、治療前に歯周病を改善する必要があります。
喫煙はインプラントの成功率を下げる要因となります。禁煙することで、治療の成功率が高まります。
糖尿病や心疾患、骨粗鬆症などの全身疾患がある場合、治療に影響を与えることがあるため、医師と相談しながら慎重に進める必要があります。
インプラントは噛み合わせに大きな影響を与えるため、噛み合わせが安定していることが条件となります。不正咬合がある場合、矯正治療が先に必要です。
インプラント治療は時間がかかり、費用も高額です。これらを理解し、治療に取り組むことが重要です。
インプラント治療を希望しても、以下のような場合には治療を断られる可能性があります。
歯周病が進行している場合、インプラントが成功しない可能性が高くなります。歯周病の治療が先行する必要があります。
骨量が著しく不足している場合、インプラントの安定性が確保できず、治療が困難になることがあります。骨移植などの前処置が必要になる場合もあります。
糖尿病がコントロールされていない、重度の心疾患があるなど、全身状態が悪い場合にはインプラント治療を行うリスクが高くなります。
喫煙者はインプラントの成功率が低いため、禁煙できない場合は治療を断られることがあります。
歯ぎしりや食いしばりといったブラキシズムがある方は、インプラントが破損するリスクが高いため、治療が推奨されないことがあります。
インプラント治療が断られるかどうかは、歯科医院や歯科医師の違いによって変わることがあります。以下に、その理由を解説します。
歯科医院によっては、インプラント治療に必要な最新の医療設備が揃っていない場合があります。例えば、骨量が不足している患者さんに対して骨移植が必要なケースでは、CTスキャンや特定の外科手術機器が必要になります。これらの設備が整っていない医院では、適応条件を満たしていても治療を断られる可能性があります。
インプラント治療は高度な技術を要するため、歯科医師の技術や知識、経験に大きな差が出ることがあります。特に、複雑な症例やリスクの高い患者さんの場合、経験豊富な医師であれば治療が可能であっても、経験が浅い医師では治療を断られることがあります。したがって、インプラント治療を希望する場合は、医院の設備や担当医師の経験を確認することが重要です。
インプラント治療を希望しても、適応条件を満たさないと判断される場合があります。そのような時、どのように対処すれば良いのでしょうか。ここでは、考えられる2つの対処法を紹介します。
【対処法1】セカンドオピニオンを求める
一つ目の対処法として、他の歯科医院でセカンドオピニオンを求めることが挙げられます。医院や歯科医師によって、診断や治療方針に違いが出ることがあります。特に、設備や技術が異なる医院では、他の医師がインプラント治療を可能と判断するケースもあります。セカンドオピニオンを求めることで、より多角的な視点から最適な治療方法を見つけることができるかもしれません。
【対処法2】インプラント以外の治療を選択する(ブリッジ・入れ歯)
二つ目の対処法は、インプラント以外の治療法を検討することです。例えば、ブリッジや入れ歯といった治療法も、歯を失った場合の代替手段として有効です。ブリッジは、隣接する健康な歯を削って支えとし、失った歯を補う方法です。一方、入れ歯は取り外し可能で、複数の歯を失った場合にも対応できます。インプラントが難しいと判断された場合でも、これらの方法で十分な機能回復が期待できますので、担当の歯科医師と相談し、自分に合った治療法を選択することが大切です。
今回は、インプラント治療の適応条件や断られる人がいる理由について、大阪市鶴見区のいちば歯科医院が解説しました。インプラント治療にはいくつかの適応条件があり、全ての患者さんが受けられるわけではありません。そのためインプラント治療を断られた場合は、他院にセカンドオピニオンを求めるか、ブリッジ・入れ歯といった従来法に切り替える必要があります。一方、インプラント治療の適切な条件を満たしている場合は、失った歯を天然歯に近い形で取り戻し、生活の質を向上させることが可能となります。。インプラント治療に関心のある方は、ぜひ一度ご相談ください。あなたにとって最適な治療法を一緒に見つけましょう。