2025.03.03どんな時にインプラント治療をするの？

皆さん、こんにちは。大阪市鶴見区のいちば歯科医院です。今回は「どんな時にインプラント治療をするの？」というテーマでお話しします。インプラント治療は、失った歯を補うための優れた治療法として知られていますが、具体的にどんな状況でこの治療が適応されるのかをご存じでしょうか？

インプラントは、従来の入れ歯やブリッジに比べて、自然な噛み心地や見た目を取り戻すことができるため、多くの患者さんに選ばれています。しかし、インプラント治療がどんな症例に適しているのかを理解することは、治療の成功と満足度を高めるために非常に重要です。本コラムでは、インプラント治療が適応される具体的なケースについて詳しく解説します。

▼そもそもインプラント治療とは？

インプラント治療とは、歯を失った箇所に人工の歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。インプラントは、生体親和性の高いチタンやジルコニアなどの素材で作られており、顎骨と結合することで非常に強固な支持基盤を形成します。その結果、インプラントは天然の歯に近い機能性と耐久性を持つため、長期間にわたって安定した噛み合わせを維持できます。

従来の入れ歯やブリッジでは、隣接する健康な歯に負担がかかる場合があり、噛み合わせのバランスが崩れることがあります。しかし、インプラント治療では失った歯の部分だけに新しい歯を装着するため、周囲の歯に負担をかけることなく、自然な噛み心地を取り戻せます。

▼インプラント治療が適応される症例

インプラント治療は、次に挙げるような症例に適応されます。

1. 歯を失った場合

最も一般的なインプラント治療の適応ケースは、歯を失った場合です。事故や病気、虫歯が原因で歯を失った場合、放置すると噛み合わせが崩れたり、周囲の歯が移動したりすることがあります。このような状態では、他の歯に余計な負担がかかり、さらなる歯の喪失につながることもあります。インプラントを用いることで、失った歯を補い、正常な噛み合わせを保つことができます。

歯を失った場合、ブリッジや部分入れ歯という選択肢もありますが、インプラントはより自然な見た目と機能を提供します。また、インプラントは顎骨に固定されるため、安定性が高く、発音や食事中の不快感が少ない点も大きなメリットです。

2. 抜歯せざるを得ない歯がある場合

虫歯や歯周病が進行し、保存が不可能な歯を抜歯せざるを得ないケースでも、インプラント治療が有効です。抜歯後にそのまま放置すると、隣接する歯が移動し、噛み合わせの不具合や顔の輪郭の変化が生じることがあります。インプラントを早期に埋入することで、顎骨の変形を防ぎ、歯列全体のバランスを維持することができます。

また、インプラント治療は、隣接する健康な歯を削る必要がないため、歯列全体の健康を守りながら治療を行うことが可能です。これにより、他の治療法に比べて、長期的に安定した噛み合わせを得ることができます。

3. 合わない入れ歯を何とかしたい場合

既存の入れ歯が合わなくて困っている患者さんにも、インプラント治療は適応されます。入れ歯が合わないと、噛み合わせが不安定になり、食事がうまくできなかったり、入れ歯がずれて痛みが生じたりすることがあります。このような症状は、インプラント治療によって改善されることが多いです。

インプラントを用いた治療は、入れ歯のように取り外しの必要がなく、固定式のため安定性が高く、食事や会話中の不安を解消します。また、インプラントと組み合わせたインプラントオーバーデンチャーという方法もあり、これにより入れ歯の安定性を高めることができます。この治療法は、従来の入れ歯に比べて、自然な噛み心地を取り戻すことができ、生活の質を向上させることが期待されます。

▼日本人が歯を失う主な原因について

日本人が歯を失う主な原因は、虫歯と歯周病です。特に歯周病は、歯を支える歯周組織に深刻なダメージを与えるため、最終的に歯の喪失につながるケースが多いです。その他、交通事故やスポーツなどで顔面に強い衝撃を受けた際に、歯が抜けたり、抜歯を余儀なくされたりすることがあります。こうした病気やアクシデントに見舞われることで、かけがえのない天然歯を失い、インプラント治療が必要になるため日頃から十分に注意しましょう。虫歯や歯周病は、日々の口腔ケアを徹底するとともに、定期的な歯科検診を受けることで、重症化を免れます。

▼インプラントしたいけど出来ない症例は？

インプラント治療は多くのケースで有効ですが、すべての患者さんに適応できるわけではありません。以下に、インプラントができない可能性がある7つの症例を解説します。

1. 顎骨が十分にない場合

インプラントを埋入するためには、十分な量と質の顎骨が必要です。顎骨が不足している場合、インプラントの安定性が保てず、治療が難しくなります。

2. 重度の歯周病がある場合

歯周病が進行していると、顎骨が減少し、インプラントを支えることができなくなります。歯周病が治癒するまで、インプラント治療は行えません。

3. 全身疾患がある場合

糖尿病や心疾患、免疫系の疾患などがある場合、インプラント手術のリスクが高くなります。特に、血糖値のコントロールが不十分な患者さんでは、治療が困難です。

4. 喫煙習慣がある場合

喫煙はインプラントの成功率を下げる要因です。タバコに含まれるニコチンが血行を妨げ、治癒過程に悪影響を及ぼします。そのため、喫煙者にはインプラント治療を推奨しない場合があります。

5. 成長が完了していない場合

お子さんや成長期の患者さんでは、顎骨の発育がまだ完了していないため、インプラント治療は適さないことがあります。成長が終わるまで治療を待つことが一般的です。

6. 噛み合わせが極端に悪い場合

噛み合わせが極端にずれている場合、インプラントが正常に機能しないことがあります。このようなケースでは、まず噛み合わせの改善が必要です。

7. 精神的な問題がある場合

精神的な疾患や不安が強い場合、インプラント治療に対する不安や恐怖が治療の進行を妨げることがあります。事前のカウンセリングや適切なサポートが必要です。

インプラント治療は、患者さん一人ひとりの状態を見極めたうえで行うべき治療です。上記の症例に該当する場合でも、他の治療法を検討することができますので、お気軽にご相談ください。

▼まとめ

今回は「どんな時にインプラント治療するの？」という疑問に大阪市鶴見区のいちば歯科医院がお答えしました。インプラント治療は、歯を失った場合や抜歯せざるを得ない場合、さらには合わない入れ歯に悩んでいる場合に適応される優れた治療法です。インプラントは、自然な見た目と機能性を取り戻すだけでなく、長期的に安定した噛み合わせを維持することができるため、多くの患者さんに選ばれています。ただし、治療を受ける際には、個々のケースに応じた適切な診断と治療計画が必要です。もし、インプラント治療に興味がある方や、治療を検討している方は、ぜひ一度ご相談ください。いちば歯科医院では、皆さんの健康な歯と噛み合わせを守るため、最適な治療を提案いたします。